生理前になると、イライラしたり、情緒が不安定になったり、体がむくんだり重だるくなったり…。そんなPMS(月経前症候群)の症状に、静かに悩まされている女性は少なくありません。
仕事や家庭のことを頑張りながらも、どこか「なんだかうまくいかない」「自分が嫌になる…」と思ってしまうこともありますよね。
でも、そんなPMSのつらさも、毎日の食生活の工夫でやわらげることができるかもしれません。この記事では、心と体をやさしく整えるPMS対策の食生活ポイントを、わかりやすく丁寧にご紹介します。
“自分を責めるのではなく、いたわってあげる”そんな視点で、体に寄り添ってみませんか?
1. PMSってどんな症状?なぜ起こるの?
◆ PMSとは?
PMS(Premenstrual Syndrome)とは、生理が始まる3〜10日前から起こる、心と体の不調のこと。
症状の出方は人によって異なり、代表的なものには次のようなものがあります:
- 気分の落ち込み・イライラ・涙もろさ
- 頭痛・腰痛・胸の張り
- 食欲の増加・むくみ・眠気
- 集中力の低下・疲労感
◆ PMSの主な原因は?
PMSの大きな要因は、女性ホルモン(エストロゲン・プロゲステロン)の変動といわれています。排卵後から生理前にかけてホルモンバランスが乱れ、自律神経や神経伝達物質の働きにも影響を与えるため、心身にさまざまな不調が現れるのです。
2. 食生活がPMSに影響する理由
食べ物は、私たちの体をつくる基本。そして、ホルモンの分泌や脳内の神経伝達にも、日々の食事が大きく関わっています。
栄養が不足したり偏ったりすると、ホルモンバランスや自律神経が乱れやすくなり、PMSの症状が悪化してしまうことも。
逆に言えば、栄養バランスのとれた食生活を意識することで、PMSをやわらげる力が自然と備わってくるのです。
3. PMSをやわらげる栄養素と食べ物
◆ ① ビタミンB6|ホルモンバランスを整える
ビタミンB6は、女性ホルモンの代謝を助け、精神の安定に関わる神経伝達物質(セロトニン・ドーパミンなど)の生成に必要不可欠な栄養素です。
多く含まれる食材:
- 鶏ささみ、まぐろ、レバー
- バナナ、アボカド、じゃがいも
おすすめの取り方:
朝にバナナとヨーグルトのスムージーで、やさしく1日のスタートを。
◆ ② マグネシウム|イライラや緊張をやわらげる
マグネシウムは、神経の興奮を抑え、筋肉のけいれんや頭痛、イライラを軽減する働きがあります。PMSの症状をやわらげるサポート役として心強いミネラルです。
多く含まれる食材:
- アーモンド、カシューナッツなどのナッツ類
- 大豆製品、玄米、ひじき、海藻類
おすすめの取り方:
おやつに素焼きナッツを取り入れて、間食タイムも温かなケアタイムに。
◆ ③ カルシウム|感情の起伏を穏やかに
カルシウムは骨や歯の健康だけでなく、神経の興奮を抑える働きで、PMSの感情の乱れにも効果的とされています。マグネシウムと一緒に摂ると吸収もスムーズです。
多く含まれる食材:
- 牛乳、ヨーグルト、チーズなどの乳製品
- 小松菜、水菜、しらす
◆ ④ 食物繊維&腸活食材|腸から整える心のバランス
実は、セロトニンの約90%が腸で作られているといわれています。腸内環境を整えることは、心のバランスにも大きく影響します。
おすすめの腸活食材:
- 発酵食品(味噌、納豆、キムチ、甘酒)
- 食物繊維を含む野菜(ごぼう、ブロッコリー、にんじん)
- プレバイオティクスとしてのバナナ、オートミール
4. PMS症状を悪化させやすい食習慣に注意
以下のような食べ物・習慣は、PMS症状を悪化させてしまうことがあります。日々の生活の中で、できるところから見直してみましょう。
◆ 糖分・カフェイン・アルコールの過剰摂取
血糖値が急激に上下すると、イライラや情緒不安定が悪化しやすくなります。特に生理前は甘いものが無性に欲しくなる時期ですが、スイーツや菓子パンの“糖質過多”には注意を。
代替案:
- 甘酒やドライフルーツ、ビターチョコレートで満足感をアップ
- コーヒーの代わりにカフェインレスのハーブティーを取り入れる
◆ 食事のリズムが乱れている
食事を抜いたり、深夜に食べたり、栄養が偏ったり…。その積み重ねがホルモンや自律神経を乱す原因に。
心がけたいこと:
- 1日3食をできるだけ決まった時間に
- “バランス”を意識したお皿づくりを
5. 毎日できる、やさしいPMS対策の習慣
食生活とあわせて取り入れたい、心と体を整える日常の習慣をご紹介します。
◎ 朝起きたら白湯を1杯
→ 内臓をゆっくり目覚めさせ、代謝もアップ。
◎ 夜はあたたかいスープや味噌汁をプラス
→ 体の芯をじんわり温めて、ホルモンバランスの乱れを防ぐ。
◎ ストレスをためすぎない
→ やさしい音楽、ハーブティー、アロマなどで“自分のためのリラックスタイム”を。
6. まとめ|“食べ方”が変わると、心も体も整いはじめる
PMSは、決して「わがまま」や「気の持ちよう」なんかではありません。女性の体が送っている、「ちょっと休んでね」「整えてね」という小さなサイン。
その声に耳を傾けて、自分をいたわる“食べ方”を大切にすること。それは、自分自身とやさしく向き合うための、最初の一歩です。
今日の食事が、明日のわたしの心と体をつくっていく。
しなやかで、やさしい暮らしは、そんな「ちいさな選択」から始まるのかもしれません。